
【受注生産のため、9寸と尺は配送まで1〜2週間、尺1寸は都度お問い合わせください】
【本製品は右利きの方用の製品です】
【繊細な製品のため本刃付けはお客様でお願いいたします(一般レベルではすぐに切れる刃は付いています)】
【名入れ(漢字限定1〜3文字)をご希望の方は、まずはお問い合わせください】
腕に自信がある鍛冶屋なら、「まず、これを見てくれ」と差し出してくるのが、白紙鋼の刃物。不純物や添加物を含まないピュアな鋼で、シビアな熱処理に成功した製品は、硬く素直な特性を守ります。砥石乗りも抜群に良く、メンテナンスが楽しくなるのが、白紙鋼の刃物です。
魚介類を刺身にする柳刃包丁ですが、包丁の切れ味が刺身の味を左右することは疑いようのない事実です。細胞を潰さずに、包丁の自重を利用して一気に引き切りすることで、細胞を鋭利に切ることができ、食感や鮮度に貢献します。また、切り口が立っていることで、醤油を垂らしても適度な乗りとなり、食材の味を際立たせます。
鍛造と研ぎも一級品。白紙2号を鍛え、熟練の技で焼きを入れているため、高い硬度を誇ります。堺の中でも独自に活動する松尾刃物の研ぎは、モラを徹底的になくした上で研ぎ上げるもの。お使いになってからのメンテナンスも、白紙鋼は砥石乗りがとても良くなるので楽しくなります。プロも一般の方もご満足いただける製品です。
↓研ぎ方を聞きに行ってきました。雰囲気を含め、ご覧ください。
製品スペック
<基本構造>
・形状=柳刃包丁
・刃の鋼材=安木鋼 白紙2号
・地金=軟鉄
・利き手=右利き用(左利き用の設定なし)
・柄=朴八角柄
・仕上げ=本霞
・生産地=日本・大阪府堺市
・生産者=松尾刃物製作所
<製品バリエーション>
商品 | 有効刃渡 | 全長 | 正味重量 | 配送重量 |
9寸 | 約260mm | 約415mm |
約170g |
約350g |
尺 | 約290mm | 約450mm | 約200g | 約375g |
尺1寸 | 約330mm | 約485mm | 約235g | 約400g |
<構造・素材>
当包丁は、鋼と軟鉄を鍛接で合わせた片刃二層構造となっています。合わせ刃物の特徴は、高硬度の鋼を柔らかい軟鉄と合わせることで、大きな割れを防げること。そのため、鍛治師は刃となる鋼部分の加工に注力でき、良い刃物が生まれやすいことが挙げられます。ただ、刃は硬度を上げると脆くなるため、用途以外のものを切ったりこじるなど無理をすると欠けてしまうことにご注意ください。(この特性は、当包丁の特性ではなく、鋼や刃物の一般的な特性です。鋼の特性をご存知の方のみお買い求めください)
柳刃包丁・白鋼本霞で使用している鋼は、安木鋼の白紙2号です。不純物や添加物がかなり少ない鋼で、鋼としての純度が高いため、刃物の本質が見える鋼といわれています。鍛冶屋としても、その熱処理のシビアさから、腕が見える怖い鋼。だからこそ、本当に腕に自信がある鍛冶屋は、青紙鋼の製品よりも、白紙鋼の製品を見てほしがります。また、青紙鋼のように硬い添加物が含まれていないため、砥石の乗りは高級鋼の中でも随一。きちんとした鍛冶屋の白紙鋼の製品を購入し、メンテナンスを怠らなければ、最も理想的な切れ味をいつも得られます(が、そこが刃物購入の難しいところです。多くのプレスで抜いた工場製品は極限を追い求める熱処理をしてないことからポテンシャルは発揮されていませんし、クレーム対応の効率を求める問屋が入った製品もまた、使い手を信じず、素人が使うと割れ欠けしやすいシビアな焼き入れまでは行っていません)。松尾刃物製作所では、この白紙2号を使用した包丁づくりでプロ用の製品をつくり続け、板前や料理人から高い評価を獲得してきた実績があります。ぜひ、切れる包丁(要・適切な研ぎ)を体感してください。
<研ぎ・仕上げ>
合わせ刃物としては一般的な本霞の仕上げですが、適切な温度管理により生み出した刃は、研ぐと地金が深い味わいのネズミ色となり、なんとも言えない味わいを出します。白紙鋼のため、研ぎは慣れてくると気持ちが良いと思えるほど。青紙鋼よりも長切れはしませんが、その分、適切なメンテナンスでいつもピークを作りやすい製品です。
この製品の作り手
源泉正(松尾刃物製作所) 松尾義明 氏・松尾翼 氏
創業明治39年。源泉正は、松尾刃物製作所の直売専用のブランド名です。普段は著名な刃物店向けにプロ用の包丁をつくって納めていますが、包丁職人として直売するときにのみ源泉正の銘を使用。まさに、知る人ぞ知る包丁メーカーです。現在では、各種金物店、ホテル、旅館、料亭、割烹などを筆頭に源泉正の銘でつくった包丁の愛用者を増え続けています。
松尾刃物製作所の最大の特徴は、極限にまで真っすぐな刃を生み出していること。一般的には刃付けの段階だけで真っすぐな刃の包丁をつくりますが、松尾刃物製作所では、鍛造以降のさまざまな製造工程においてモラ(歪み)を徹底除去しています。
そのため、長い年月使用して研ぎ進めても、常に真っすぐの刃が得られることが最大の特徴。言い換えると、素直に研ぐだけで常に真っすぐな刃が得られるため、プロの板前さんなどから高い評価を得ています。ファンにも熟練層が多く、一朝一夕では生まれない評価を獲得し続けてきました。
親方の松尾義明さんを筆頭に、若手職人の松尾恭兵さんと松尾翼さん(動画)も堺の包丁づくりをいまに伝え、使い手の満足を第一に、包丁をつくり続けています。
↓モラ(歪み)を取る作業の様子も撮影しました